2013年2月21日木曜日

もう一つのノルレボ物語(2)緊急避妊フィーバー

2000年を境とする若年女性の中絶率低下について書きました。
そして、それが緊急避妊効果と推測できると指摘しました。
日本に突如として緊急避妊ブームが訪れたといってよいでしょう。
以下は2000年の様子を伝える家族計画協会機関誌です。
同誌は、「緊急避妊に占領されたホットライン」との見出しでその様子を記しています(「思春期電話相談報告書」)。
 


Dr..北村のJFPAクリニックはその内実について以下のように記しています。
2000年4月から開設した『ピルダイヤル』に寄せられた電話相談から、ピルについての最新情報をお届けしよう。ピルダイヤル利用者の年齢は20歳から24歳がもっとも多く(32.2%)、20歳代での利用が5割を超えているが、19歳以下の若者たちからの相談も多い(10.1%)。01年度から『ピルダイヤル』に緊急避妊相談を加えたこともあり、『その他』が65%と高くなっている。その結果、相談内容を詳細に見てみると、「緊急避妊」に関する相談が53.7%と他を圧倒
ここで注目したいことは、「20歳から24歳がもっとも多く(32.2%)」とある点です。
中絶率の増加に最初に歯止めがかかったのは、まさにこの年齢層でした。
この年齢層を中心に緊急避妊情報が広がったことを裏付けています。

それではこの突然の緊急避妊ブームは何がきっかけだったのでしょう。
日本家族計画協会のサイト(http://www.jfpa.or.jp/)が開設されたのは2001年のことです。
2001年10月21日のアクセスカウンターは4193となっていました。
(ちなみに当時の当サイト1日アクセス数は1500程度でした)
開設当初の同サイトには、「あなたに知っていて欲しい緊急避妊のこと」(http://www.jfpa.or.jp/07-kinkyu/main.html現在はリンク切れ)とのページがありました。
しかし、時系列で考えれば同ページが緊急避妊の火付け役でないことは明かです。
2000年時点で日本語の緊急避妊情報は、
当サイト「いざというときの緊急避妊法」が唯一といってよい状態だったと思います。
同ページでは、日本にある中用量ピルや低用量ピルで緊急避妊ができるとの情報を伝えました。
緊急避妊に関する当サイトの情報は、
当時の主要なネットユーザーであった青年世代の人々を中心に急速に広がっていきました。

当時、年間中絶数は約30万件でした。
緊急避妊では約3/4の妊娠を阻止することができます。
もし、緊急避妊が完璧に普及するならば、
理論上30万件の中絶の内22万件余りの中絶は避けることができました。

年間22万件余りの中絶をなくすことができる

これほど重要な情報です。
それが秘密にされていることに悲しみより怒りを感じていました。
何が何でもこの情報を日本の女性に伝えたいとの思いが受け入れられ、
緊急避妊フィーバーが生じたのだと考えています。

しかし、この状況を苦々しく思っている人々がいました。

もう一つのノルレボ物語(3)に続く。

2000年に起きた異変
緊急避妊フィーバー
「適正使用」路線の第一歩/低用量ピルの除外
ソフィア狩り
プラノバール潰し
 ノルレボ高価格の舞台裏
奇妙な親切
乱用幻想のプロパガンダ
良心的医師の悲鳴
親鸞は弟子一人ももたず
隠された情報
「適正使用」の代償




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